寒くなってきたらカレーも良いけれどシチューですよねということで、シンプルなクリームシチューを。具はシンプルに鶏肉と人参、ジャガイモ、ブロッコリーで。子供の頃に母親が作ってくれたものと同じ。
クリームシチューにはいくつか思い出があって、その一つが鶏肉の数。小学校に入った頃、従姉からのお下がりで家にはポプラ社などの児童名作文学から伝記物まで多数の書物があって、それらを読み漁る毎日。そのなかにトーマス・エジソンの伝記ももちろんあって、エジソンが子供の頃、「お前の家はシチューにチキンが入っているだろう、それも二個も」と難癖つけられ虐められてたというような記載があった記憶があります。
エジソンが生まれ育った家庭が比較的裕福だった、周囲に馴染めなかったというエピソードを端的に記したものだと思いますが、子供の頃、こっそり自分の家のシチューに入っている鶏肉の数をチェックしていたものです。
クリームシチューには鶏肉、ビーフシチューにはもちろん牛肉がゴロリと入っていた家庭ですが、なにぶん「うちは貧乏なのよ」と言い聞かされ、妹に迷惑はかけたくない、長男の自分が我慢しなければと無意識にも思い続けていた時代なので、秋冬になるとシチューの肉の数に密かに一喜一憂していたものです。